最近は、晩婚の女性が増えていることに伴って、高齢出産をする人が増えています。ただ、40代になると、なかなか思うように妊娠できないことが少なくありません。また、せっかく妊娠をしても、高齢出産のリスクが生じることがあります。
ここでは、かわいい赤ちゃんを迎えるための40代の不妊治療と高齢出産のリスクについて、詳しくご紹介していきますね。

40代だから無駄?成功率は?不妊治療の実際

実際の成功率は?45歳以上になると、不妊治療の成功率は9%


40代になっていざ妊活を始めてみると、妊娠することの難しさに直面してしまうカップルは少なくありません。そして、不妊治療に踏み切るカップルも多いようです。
ただ、不妊治療を行って40代での妊娠する人はもちろんいるのですが、あまり成功率は高くないと言われています。クリニックによっては、40代中頃の不妊治療は、受け付けてくれないところもあるようです。
では、気になる不妊治療の成功率について見ていきましょう。
不妊治療の成功率は、実は同じ40代でも、40歳〜44歳、45歳〜という年齢によって、成功率が変わってくるのです。不妊治療の成功率には、さまざまなデータがあるのですが、一般的には、40歳から44歳の不妊治療の成功率は、約50%(出産まで至った人は約30%)という成功率になっています。そして45歳以降の場合は、約9%(出産まで至る確率はさらに減ります)となっています。

後悔しないためにも挑戦することが大事

テレビや雑誌などで、40代の妊娠成功率は7%くらいだと言われているようですが、それは人工授精を1回して、妊娠に成功して出産までいたった人の確率です。実際に不妊治療をすると、人工授精を何度かすることになります。そして、人工授精の治療では妊娠できない場合は、体外受精の治療へと進むことになります。また、体外受精も1度だけでなく、何度かトライすることが多いので、妊娠成功率は、先ほどご紹介した数値になるのです。
不妊治療は、「金銭的に大変」とか、「精神的に辛い」という人もいるようです。しかし、高齢でなかなか妊娠することができなかったカップルが、「不妊治療をしたおかげで妊娠することができた」という実例がたくさんあるので、決して不妊治療は無駄ではありません。
もし不妊治療で成功しなかったとしても、「あのとき不妊治療をしていたら子供ができていたかも」と将来後悔することもないでしょう。

赤ちゃんが欲しいなら、不妊治療の中身にもこだわりましょう

不妊治療のメインプロセスは3つ

不妊治療でクリニックに通う場合、妊娠するためのプロセスが始まります。主にどのようなプロセスがあるのかというと、
(1)タイミング療法
(2)人工授精
(3)体外受精
という3つのプロセスがあります。
では、この3つのプロセスについて、詳しくご説明していきますね。

(1)タイミング療法

不妊検査の結果、カップルに問題がない場合や、不妊期間が短い場合などに行われる方法です。超音波検査で、卵胞の大きさを計測したり、尿中のLH検査をしたりしながら、医師が排卵日を正確に予想します。そして、ベストのタイミングに性行為を行って、妊娠を狙うという方法です。排卵に、投薬治療を用いることが多いです。
不妊治療の中では、一番自然妊娠に近い方法で、カップルにとって負担が少ない方法でもあります。ただ、タイミング療法は、40代の不妊治療よりも30代の不妊治療で行われることが多いです。

(2)人工授精

人工授精は、細いシューブを使って、子宮内に精子を送り込んで、人工的に妊娠を狙う方法です。生理になったときから、人工授精の準備が始まります。自然排卵、あるいは排卵誘発剤を使っての排卵で、排卵日を予測します。そして、排卵から24時間以内に、人工授精がスムーズにできるように進めていきます。そして、人工授精をするときは、男性の精子を洗浄したものを、子宮内に注入します。人工授精のステップでは、女性が注射を打つこともあります。
人工授精は、何度かタイミング療法を試しても妊娠しなかった場合の次のステップになりますが、高齢の不妊治療や不妊期間が長い場合は、人工授精から始めることがよくあります。また、パートナーの精子に問題がある場合も、人工授精を行います。

(3)体外受精

人工授精を何度か繰り返しても、妊娠にいたらない場合は、体外受精へと進みます。体外受精では、まず、薬や注射などを使って、できるだけたくさんの質が良い卵子を作ります。卵子ができたら、採卵で、卵子を取り出します。パートナーは、マスターベーションをして精子を用意します。そして、培養液に入れた卵子に精子をふりかけて受精させます。精子の状態が悪いときや受精しないときは、顕微授精をして、受精させます。培養した受精卵は、2日後くらいに、細いチューブを使って、子宮の中にもどして(胚移植)妊娠を狙います。残りの受精卵は、冷凍保存されるので、次の移植に使うことができます。
タイミング療法や人工授精では妊娠までいたらなかった人でも、体外受精で妊娠する人もいるので、40代での高齢不妊治療の場合、すぐに体外受精に踏み切る人もいるようです。

以上、3つのプロセスをご紹介しましたが、医師と相談しながら、どのプロセスから始めていくのかしっかりと見極めることが大切かもしれませんね。

病院選びがカギ。40代に特化した不妊治療の評判をチェック

同じ治療でも医師の技量や対応で変化が

不妊治療をするときは、病院選びがとても大切です。特に40代の不妊治療は、20代や30代の人よりも、妊娠するのが難しいため、病院選びは慎重にする必要があります。病院によっては、40代中頃になると不妊治療を受け入れてくれないところもあるので、そのような病院に行って、治療を拒否されたら、余計に辛い思いをしてしまうかもしれません。
不妊治療をしようと決めたら、とりあえず婦人科に行く人もいますが、40代の不妊治療では、不妊治療専門クリニックに行くことをおすすめします。専門のクリニックでは、不妊を専門にしているので、不妊に特化した治療をしてくれます。また、高齢での不妊治療にも詳しいです。年齢を重ねると、卵子の質が低下していくので、いかに質の良い卵子を作るかが重要です。不妊治療専門のクリニックでは、質の良い卵子を作るために、投薬や注射など、専門の医師の指導のもとによって進められていきます。
また、妊娠を妨げている問題がないか、女性だけでなく男性の検査もしてくれます。そして、もし問題があれば、その問題に対処しながら不妊治療が進められていくので、スムーズに妊娠するための段階へと進んでいきます。

知人の評価やネットの口コミもチェックを

不妊治療の病院を探すときは、友人などが不妊治療をして成功した、というような不妊治療専門のクリニックを選ぶのがベストです。もしそのような友人や知り合いがいなければ、ネットで検索をして高齢での妊娠に成功した病院を探してみてくださいね。
また、不妊治療で大切なのが、先生との相性です。やはり人間同士なので、相性はあります。妊娠するためには、ストレスは大敵です。そのため、どうしても先生と合わないときは、転院するほうが良いでしょう。転院した途端に妊娠することができた、ということもあるので、無理して合わないクリニックに通い続けるのはおすすめできません。

赤ちゃんができた後も。高齢出産のリスクも知っておこう

赤ちゃんはもちろん、本人にも危険が。高齢出産のことを知ろう

待望の赤ちゃんができてからも、ママが高齢の場合は、まだ安心してはいけません。健康な赤ちゃんをママの腕で抱くまでには、高齢出産のリスクを知って、それに備えることも必要です。では、どのようなリスクがあるのか見ていきましょう。

(1)染色体異常を持った子供が生まれるリスク

高齢出産では、染色体に異常を持つ子供が生まれる確率があがります。たとえば、ダウン症の子供が生まれるリスクは、30歳での出産と比べると、40歳での出産のほうが8倍くらい高くなります。
高齢出産では、どうして染色体異常を持った子供が生まれるリスクが高くなるのかというと、卵子や精子が老化してしまうからです。

(2)妊婦が病気にかかるリスク

高齢出産になると、妊婦が病気にかかるリスクがあります。どのような病気かというと、「妊娠高血圧症候群」「妊娠糖尿病」「甲状腺疾患」などの病気です。

(3)早産や流産のリスク

早産や流産のリスクも、高齢出産になると高まります。妊娠初期に流産する場合は、胎児の染色体異常が原因であることが多いです。先ほど説明したように、高齢で妊娠すると、染色体異常を持つ子供のリスクが上がるので、それが妊娠初期での流産につながってしまいます。
早産も、高齢で妊娠すると、「妊娠高血圧症候群」や「常位胎盤早期剥離」などにかかりやすく、その結果、早産となってしまうのです。

これらのリスクを避けるために、クリニックの先生の指導の元、食生活の改善やサプリメントの摂取、適度な運動などを心がけて、健康な赤ちゃんが無事に生まれるようにしましょう。
ちなみに、高齢出産のメリットももちろんたくさんあります。特に、40代になると、経済的にある程度の余裕がある状態で子供を育てることができる、というメリットは大きいです。また、精神的にも余裕がある年齢なので、落ち着いた生活・家庭環境で子供を育てることができます。

実際の治療はどうだった?生まれてからの問題は?先輩たちのブログをチェック

ブログには実際の経験者の声が満載

実際に、40代で不妊治療を体験した先輩たちのコメントや、40代で出産をした先輩たちの様子を知りたいですよね。ここでは、40代での不妊治療のブログや、子育てのブログをご紹介していきますので、不妊治療をするかどうか迷っている人や、40代になってからの子育てがいったいどのような感じなのか知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ブログ(1):42歳からの不妊治療おぼえがき

まず、42歳で実際に不妊治療をしている人のブログです。
質の良い卵子を作るのに苦労されているようです。ブログの冒頭には、「ネガティブな内容も多いので嫌な方は読まないようお願いします」と書かれているように、やはり不妊治療は、簡単ではないことがわかります。このブログは、不妊治療をしていて同じ気持ちを抱えている人に向けて書かれているので、不妊治療で気持ちが暗くなりそうになっても、元気がもらえると思います。
引用元:42歳からの不妊治療おぼえがき

ブログ(2):アラフォーママの双子育児チャレンジ日記 ひとりはダウンちゃん

続いては高齢出産をした先輩のブログを見ていきましょう。42歳で双子を妊娠して出産したママのブログです。
高齢育児で感じるいい事が、ブログトップページに書かれています。そのうちの一つに、高齢なので精神的な余裕があるためか、怒って子供を育てるのではなく、「褒めて子育てをしている自分が好き」ということが書いてあります。また、子供たちがこれからさらに高齢になっていく自分の生きがいになる、とも書いてあります。
高齢出産すると、前向きに余裕を持って子育てができるようですね。
引用元:アラフォーママの双子育児チャレンジ日記 ひとりはダウンちゃん

40代で妊娠するのは、簡単ではありませんが、決して不可能ではないことがおわかりいただけたのではないでしょうか?40代で妊娠を希望する場合は、できるだけ早めに不妊治療専門のクリニックに行って、不妊治療を始めることをおすすめします。そして、赤ちゃんができたら、高齢出産のリスクに備えて、元気でかわいい赤ちゃんを生んでくださいね。