「もうアラフォーだし、資産運用を始めるには遅いかな…」と感じている方へ。

NISAは、アラフォー世代からでも無理なく始められる制度です。2024年からは「新NISA」がスタートし、年間投資枠が最大360万円に拡大。この変更により、長期的にも短期的にも資産運用できる幅が広がりました。

本記事では、アラフォー世代がNISAを始めるべき3つの理由と、簡単な始め方についてご紹介します。

理由①将来の生活費や老後資金をしっかり準備できる

貯金だけではなかなかお金が増えない今の時代。

NISAを活用すれば、非課税のメリットを活かして効率よく資産を増やし、将来の生活費や老後資金の準備が進められます。ここでは、貯金とNISAを活用した資産形成の違いについて解説します。

銀行預金だけではお金が増えない現実

銀行にお金を預けておけば安心、という考え方はもう古い常識になりました。たとえば、みずほ銀行の普通預金の金利は年0.100%です。100万円を預けても、1年間で得られる利息はたったの1,000円程度。このような低金利では、いくら銀行に預けていてもお金が増えることは期待できませんよね。

そこで選択肢に入れたいのが「NISA(少額投資非課税制度)」です。NISAは簡単にいうと、投資で得た利益が非課税になる制度。たとえば、10万円の利益が出た場合、一般的には約20%の2万円が税金として引かれます。NISAなら非課税のため、そのまま10万円を手元に残せます。この「非課税」の仕組みは、資産運用する上で大きなアドバンテージです。

つみたてNISAでコツコツ準備できる安心感

「投資ってハードルが高そう」と思うかもしれませんが、つみたてNISAなら心配はいりません。少額からコツコツ積み立てられる仕組みが整っており、毎月1,000円からでも資産形成を始められます。この無理のない範囲でスタートできる点は、初めて資産運用を考える方にとって大きなメリットです。

つみたてNISAのもう一つの強みは、長期間にわたって投資を続けることで得られる「複利」の効果です。複利とは、運用益が再び投資に回され、利益が利益を生む仕組みのこと。たとえば、毎月1万円を20年間積み立てた場合、運用次第では元本240万円が大きく成長する可能性があります。

また、つみたてNISAの対象商品は、金融庁が定めた基準を満たす長期運用に適したものばかり。金融庁のお墨付きがあるため、投資初心者でも安心して商品を選べる環境が整っています。つみたてNISAはリスクを抑えながら堅実に資産を増やせる可能性が十分にあります。

具体的な運用イメージ

長期間投資を続けるほど複利の効果が働き、資産が加速度的に増えていきます。たとえば、少し頑張って毎月5万円をつみたてNISAを利用して、年間5%の利回りで運用した場合を考えてみましょう。以下のような成長が期待できます。

  • 10年後:約774万円
  • 20年後:約2,030万円

元本だけを見ると、5万円×20年間で1,200万円積み立てた計算になりますが、複利の力によって運用益が大きく上乗せされ、総額が2,000万円を超える可能性があります。20年後、60歳をむかえても2,000万円の資産が積み立てられるのはアラフォー世代までです。

理由②インフレ対策としてお金の価値を守れる

2022年ごろから物価の上昇が顕著になり、日常の買い物を含め生活費が急上昇しています。多くの人がその影響を実感しているのではないでしょうか。この「インフレ」は、物価の上昇とともに、お金そのものの価値が下がることを意味します。インフレが進むと、銀行に預けたお金が実質的に目減りしてしまうリスクがあります。

インフレが進むとどうなる?

たとえば、今1,000円で買えるものが、数年後には1,200円必要になるとしたら、同じ金額で買える量が減ってしまいます。つまり、銀行に預けているだけの貯金は実質的に「残高が減っている」という状況です。インフレが進むと、ただ貯金しているだけでは将来の生活費や老後の準備資金が十分ではない可能性があります。

NISAを活用してインフレに強い資産を持とう

資産運用を通してお金を増やしていくことは、インフレに対応できる方法の一つです。特に株式投資や投資信託は、企業の売上や利益が物価上昇に伴って増加するため、インフレに強い性質を持っています。こうした資産を持っておくと、物価上昇に応じたリターンが期待できます。

理由③経済的な安心が、より自分らしい人生をつくる

40代になると、仕事や生活が安定してくる一方で、「これから先、自分の人生をもっと楽しみたい」という気持ちが強くなる時期かもしれません。しかし、将来のお金の不安が頭をよぎると、本当にやりたいことを我慢して今を楽しむ余裕がなくなることも。経済的な安心感を得るために、資産運用を通して自分らしい人生をつくる一歩を踏み出しましょう。

お金に対する自信が人生を豊かにする

資産運用を続けていると、お金を計画的に管理する力が身につきます。急な出費があっても冷静に対応でき、貯蓄だけではなく「お金を増やす」意識を持てるようになります。

また、この安心感が新しい挑戦への後押しになります。趣味にお金が使え、スキルアップや自己投資に取り組む余裕が出てくると、毎日がさらに充実してくるのではないでしょうか。

「資産を持っている」という安心感が、今の生活を前向きに変えてくれるはずです。お金の不安が軽減されると、本当にやりたいことに集中できます。自分らしい人生を送るために、コツコツとお金を増やす行動を今から起こしていきましょう。

NISAを始めるための基本ステップ

「NISAを始めるといっても、何から手をつければいいかわからない…」と悩んでいませんか?

安心してください、NISAを始めるのはとてもシンプル。NISA口座を開設するだけで、18歳以上の日本国民は誰でもこの制度が利用できます。ここでは、NISAを始めるために必要な最低限の知識と手順について解説します。

つみたてNISAと一般NISAを組み合わせて運用しよう

NISAを活用するなら、「つみたてNISA」と「一般NISA」を組み合わせて使うのがおすすめです。それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

つみたてNISA 一般NISA
目的 老後資金や将来の生活費を準備    旅行資金や家電購入など短期的な目標
年間投資額    120万円 240万円
非課税期間 20年 5年
運用成果例 月3万×20年(年利5%の場合)
元本720万円 → 約1,200万円
半年ごとに20万円ずつ×5年間(年利7%の場合)
元本200万円 → 約243万円

つみたてNISAでコツコツ将来の資産を育てながら、一般NISAで短期間の運用をプラスできます。それぞれの良さを組み合わせて、自分に合ったバランスを見つけていきみましょう。

どう始める?簡単なステップ

NISAを始めるために必要なのはただ一つ、NISA口座の開設です。口座開設さえ完了すれば、自分の好きな商品を選ぶのみ。まずは自分の持っている銀行口座でNISA口座が開設できないか確認してみるといいかもしれません。

1. 金融機関でNISA口座を開設

NISA口座は1人1つまで。証券会社や銀行で申し込みます。イオン銀行など身近な金融機関でも手続き可能です。金融機関によって取り扱う商品の種類や手数料が異なるため、ここだけ注意しましょう。

2. つみたてNISAと一般NISAを設定

毎月の余裕資金をつみたてNISAでコツコツ積み立てつつ、ボーナスや臨時収入があるときに一般NISAを活用するのがおすすめです。組み合わせて使うことで、長期的な資産形成と短期的な運用を両立できます。

3. 自動積立を活用してラクに続ける

つみたてNISAは、自動積立設定を使えば手間なく資産形成を続けられます。毎月の積立額を設定して、忙しい日々の中でも自動的に資産が増えいく状態を目指しましょう。

まとめ

NISAはアラフォー世代からでも始めやすい資産形成の手段です。少額から無理なく取り組み、非課税のメリットを活かして将来に必要なお金を守っていきましょう。

資産形成を始めるのに「今からでは遅いかな」と悩む必要はありません。NISAは誰でも簡単に始められる金融庁お墨付きの制度です。20年後に2,000万円の資産形成も現実的な目標となります。一歩踏み出して将来の不安を減らし、自信を持って新しい挑戦を楽しめる人生を築いていきましょう。

 

文/Haruhiko Twitter@haruhikowriting