目標や夢をノートに書くと現実になるといった話を耳にしたことはないでしょうか。
「ジャーナリング」とは、日記のように自分の思考や感情を紙に書き出して内面を整理する方法のひとつです。
本記事では、その中でも「モーニングページ」というワークについてご紹介します。
モーニングページは、毎朝自分の感情や思考と向き合い、創造性や集中力を高めるワークです。この習慣を続けると決断力が増し、思考が現実になるかもしれません。
本記事では筆者も実践している「モーニングページ」のはじめ方やルール、得られる効果や体験談についてご紹介しますので参考にしてみてください。
モーニングページとは?
モーニングページは、朝起きてすぐに「A4ノートに思いついたことを3ページ書く」というシンプルなワークです。
このワークは、著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい」の著者、ジュリア・キャメロンさんによって提唱されています。
こちらの著書では、モーニングページのほかに「アーティストデート」と呼ばれる自分自身のためのお出かけや、週に1度の「チェックイン」が含まれています。
興味のある方はぜひ、実際に手に取って読んでみてくださいね。
ジャーナリングは人によってやり方が様々ですが、モーニングページはルールが明確化されているため、取り組みやすいところがポイントです。
モーニングページを始めるために
モーニングページを始めるために「必要なもの」と「ルール」についてご紹介します。とっても簡単ですので、はじめようと思ったらすぐに実践できます。明日の朝から実践してみましょう。
必要なもの
モーニングページを始めるために用意するものは以下の3点。
- A4ノート
- ペン
- 30分の早起き
特別なものは必要はありません。「A4ノート」と「ペン」だけで始められます。
重要なことは毎朝、手書きで書くという点です。
書くときのルール
主なルールは以下の5点です。ルールといっても、特別なものはありません。
- A4ノートを3ページ埋める
- 内容はなんでもOK
- 朝一番に行う
- 必ず3ページ埋める
- 最初の8週間は読み返さない
- 誰にも見せない
このモーニングページの目的はただひとつ、「脳の中を掃除する」こと。著者はこれを「脳の排水」と呼んでいます。
ただ手を動かして、心に浮かんでくるものを紙に写すだけです。ただ、A4ノートは想像以上に大きく、3ページはかなりの量だと感じるかもしれません。
もし、書く内容に困ったときは、「何も思いつかない」と埋め尽くしてもOK。とにかく思いついたことから書いていきましょう。
また、このノートは誰にも見せない自分だけのノートです。
素直に自分の気持ちをありのまま吐き出すことで効果が得られます。誰かに見せるために書かないように注意してくださいね。
モーニングページがもたらす主な4つの効果
なんとなく頭の中にモヤモヤした感情を抱えてはいないでしょうか。モヤモヤ感の解消には「問題の可視化」が必要です。モーニングページは感情を紙に書くだけで、思考が整理できるワークです。
そんなモーニングページがもたらす主な4つの効果をご紹介します。
達成感が得られる
朝一番にタスクをこなすと、それだけで達成感が得られます。仕事前に自己肯定感を高め、気分良く1日をスタートできるでしょう。
朝起きてすぐに生産的な行動を取ると、日々の仕事や生活にポジティブな影響を与え、充実した1日を過ごせるようになります。
感情の浄化とストレス解消
自分の感情を紙に書くという行為は、ストレス解消に効果的です。このモーニングページは誰にも見せない自分だけのノートです。
日々のストレスやネガティブな感情を朝起きてすぐに吐き出すと感情が浄化され、心が楽になります。もちろん、ポジティブな内容で自分を鼓舞することもできます。ポイントは素直にすべての感情をさらけ出すことです。
創造性の回復
もともと、このモーニングページは、アーティストである著者が創造性を回復させるために取り入れたメソッドのひとつです。
大人になるにつれて、人は子供のような無邪気な自由さを失い、社会性や常識にしばられてしまいがちです。モーニングページには論理やロジックなどを必要としません。
ただ脳を自由にさせるための手段です。この自由さが創造性の回復につながります。普段からクリエイティブな仕事や趣味を持っている方に特におすすめです。
決断力の向上
自分の思考や感情を見つめ直すと、自己理解が深まります。頭で感じていることはすぐにバラバラになってしまうため、紙へのアウトプットは重要です。
自己理解が深まると、自分にとって本当に大切なものが何か見えてきます。進むべき道が明確になり、日々の小さな選択や仕事の優先順位を決めるときも、迷いが少なくなるでしょう。
自分のキャリアや今後の方向性について悩んでいる方にもおすすめです。
継続のコツ
モーニングページは継続することで効果が得られます。著書のワークでは12週間のプログラムとなっています。
とはいえ、いきなり慣れていない習慣を日常に組み込むことは簡単ではありません。もし毎日書けない場合は週に3、4日でも大丈夫です。
ここでは、モーニングページを継続するためのコツについてご紹介します。
朝起きてすぐにやる
朝起きてすぐに書きましょう。
頭がぼんやりした状態で書いていくうちに、だんだんと思考もクリアになっていきます。毎朝の楽しみのひとつになると習慣化しやすいです。
お気に入りの文房具を手に入れる
モーニングページで用意するものは「ノート」と「ペン」だけです。
お気に入りのノートやペンを使うと気分も上がり、モーニングページがより楽しくなるでしょう。手書きは自由に自分の思いやアイデアを表現でき、スマホやパソコンでは味わえない独特な感触を味わう楽しさもあります。
楽しくなければ、書かなくてもOK。気が向いたときにいつでも取り組めるのも、モーニングページのいいところです。
ただし、再開した場合は3ヶ月を目安に継続することをおすすめします。
毎週チェックインを行って振り返る
著書の中でも、毎週チェックインを行うワークがあります。
チェックインはモーニングページを書いている同じノートでフィードバックを行います。例えば、その週で何日モーニングページを実施できたか、やってみた感想や身の回りに起きた変化など。
この振り返りが次週への改善につながり、ささいな変化にも気づきやすくなります。
【体験談】モーニングページで変わったこと
わたしはこのモーニングページを続けて約1年ほどになります。
始めた頃はA4ノートを3ページ埋めることに苦戦していましたが、今では15分から20分ほどで書けてしまいます。初めのうちはストレスに感じることもありますが、習慣化するとその効果が実感できるはずです。
ここではモーニングページを続けて感じた「変化」についてシェアしますので、参考にしてみてください。
目的があることで朝に強くなる
わたしはもともと朝に弱く、朝のルーティンとは無縁でした。しかし、モーニングページを始めると早起きする目的が見つかりました。
だらだらしてしまいがちな休日の朝も、やることが決まっていると目的意識を持って起きられます。
また、朝一番にタスクをひとつこなすと次の行動につながりやすく、結果的に仕事や生活の質の向上につながっています。
未来志向になった
モーニングページはあまり過去を振り返ることがありません。
日記は1日の終わりに、その日あった出来事を振り返りがちですが、モーニングページは朝に行うため、今日から未来にフォーカスできます。
また、読み返すこともほとんどなく、過去のノートは破棄しています。
あくまでも、今日を快適に過ごすためのツールと考えているからです。今後の予定や今の感情に集中し、自分と向き合える時間は1日を有意義に過ごすための特別な時間となっています。
モーニングページを実践すると、こういった未来志向の感覚を実感できるはずです。
身の回りに変化が現れるようになった
モーニングページを始めてから、身の回りに変化が起きました。
偶然とある大事な人に再会したり、仕事も変わり、住んでいたイギリスを離れるなど、ちょうど大きな変化があった時期と重なりました。因果関係があるかどうかは分かりませんが、少なくとも身の回りに起きた変化に対して、「ベストな選択」ができたと感じています。
モーニングページを続け、自分の気持ちや思考を整理しておくと、自然と最適な行動が取れるようになると実感しています。
まとめ
少しスピリチュアルな要素も含むモーニングページ。始めてみると何かしらの変化を感じられるはずです。
静かな朝に自分の心と向き合いながら創造性を取り戻していくこのワークは、誰にも迷惑をかけずに一人で完結できます。新しい朝の30分の習慣が新しい視点や気づきをもたらすかもしれません。
ぜひあなたも、モーニングページを毎朝の習慣にしてみてはいかがでしょうか。
文/Haruhiko @haruhikowriting