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誰にも気をつかわない朝が、一日をちゃんと変えてくれる


恋愛に傷ついて、もう懲り懲りだと思っていた。それでも、どこかでまだ誰かを好きになりたいと感じている——そんなあなたへ。変わるきっかけは、大げさなことじゃなくていい。朝の、たった一時間の使い方から始められる話をしたいと思います。

恋愛が怖くなったのは、あなたのせいじゃない


三十代の半ばを過ぎたあたりから、恋愛のことを考えるたびに妙に疲れるようになった、という話をよく聞きます。
好きになるのが怖い、というよりも、好きになったあとに来るしんどさを、もうあらかじめ全部わかってしまっている感じ、とでも言えばいいでしょうか。

誰かに本気でぶつかって、傷ついて、しばらく立ち上がれなかった経験が一度でもあれば、次に踏み出すのに時間がかかるのは当たり前のことです。
それは弱さじゃなくて、ちゃんと傷ついたということの証拠ですから。

でも問題は、その「用心」が気づかぬうちに、恋愛だけじゃなくて自分自身との関係まで縛りはじめることにあります。

誰かと一緒にいることに慣れすぎると、ひとりでいる自分の顔を忘れてしまいます。反対に、傷ついてひとりに戻ったとき、自分のための時間の使い方を、すっかり忘れているということがあります。

朝、目が覚めて、誰かのことを考える前に、自分のことを考えていたかどうか。そこを、もう一度確かめてみてください。

「ひとり時間」を「さびしい時間」と混同しないために


ひとりの朝を、「誰もいない朝」として感じるか、「誰にも邪魔されない朝」として感じるか——同じ状況でも、その解釈ひとつで体の中の温度がまるで変わります。

さびしさというのは実体があって、ちゃんと痛い。
それを否定するつもりはありません。

でも、さびしさと孤独は別物だということを、もう少し丁寧に扱ってみる価値はあります。

さびしさは「誰かがいない」という欠如の感覚で、孤独はもっと静かな、自分とだけいる時間の感覚です。

恋愛のトラウマがある人ほど、ひとりの朝をさびしさとして経験しやすいものです。前の関係の記憶が引き出されて、比べてしまって、今の自分が空虚に見えてしまう。

でも、それはまだ誰かのものさしで自分を測っているせいです。

自分のペースで起きて、自分が飲みたいものを飲んで、誰の顔色も見なくていい朝。
実はかなり贅沢なことなのだと、少しずつ感じ直してみてください。

「自分のご機嫌」を自分でとる習慣が、恋愛体質をつくり直す


恋愛に振り回されない人ほど「自分のご機嫌」を自分でとる習慣を大切にしています。誰かに満たしてもらうのではなく、自分で心を整えられるようになると、恋愛の向き合い方そのものが変わっていきます。その方法をみていきましょう。

朝のルーティンは「義務」じゃなく「宣言」にする

朝のルーティン、という言葉がここ数年ひとり歩きして、なんとなく「意識高い人がやること」のような印象になってしまった気がします。

でも本来それは、もっとずっと個人的な話です。

たとえば、毎朝コーヒーを丁寧に淹れること。
たとえば、カーテンを開けて五分だけ外を眺めること。
たとえば、好きな音楽を小さな音でかけながら着替えること。

そんな小さな行為が積み重なって、「今日も自分のために動いている」という感覚が生まれます。これはセルフケアとか自己肯定感とか、そういう横文字で呼ばれるものの正体のひとつだと思います。

誰かに合わせ続けた関係の中では、自分の「好き」が少しずつ削られていきます。
好きな時間に起きられなくなる。
好きなものを食べられなくなる。
そのような積み重ねが、じわじわと自分の輪郭をぼかしていきます。

だから朝のルーティンは、回復の手段として有効なだけじゃなくて、「私はこういう人間です」という、毎朝の小さな宣言になります。

大したことじゃなくていい。

続けられることだけを選んでください。昨日より少し自分に優しくすることを、朝という時間に積み上げていけば、それはやがて「ご機嫌な自分」の土台になっていきます。

「誰かに喜ばれる自分」より「自分が心地いい自分」を先に育てる

恋愛のトラウマがある人によく見られるパターンのひとつに、無意識に「選ばれるための自分」を演じてしまうというものがあります。
好きな人の前で、ちょっとだけ違う自分になる。
相手が好きそうなことを先回りして話す。自分が疲れていても「大丈夫」と言う。

それ自体は悪いことじゃありません。
誰だって好きな人の前では少し背伸びをします。

でも、その「演じる自分」と「素の自分」の距離が開きすぎると、関係が続くほどに消耗していきます。

そして「やっぱり私は恋愛に向いていない」と感じて、また傷ついて、また臆病になる。

その悪循環を断ち切るために必要なのは、誰かに会う前の朝に、まず自分が心地いい状態にいることです。自分がきちんと機嫌よくいられるとき、人は相手に過剰に合わせなくなります。
そのままの自分でいる練習を、誰もいない朝にしておく。
それがそのまま、恋愛の「地力」になっていきます。

在宅ワークの朝こそ、「外向きの自分」に切り替えるひと手間を


在宅ワークは通勤がない分、オンとオフの切り替えが曖昧になりがちです。
気づけば気持ちが内向きのまま仕事を始めてしまい、集中力やパフォーマンスに影響することもあります。

そんなときこそ大切なのが、「外向きの自分」にスイッチを入れるひと手間です。
ほんの少しの意識と習慣で、仕事モードへの切り替えはぐっとスムーズになります。

ストレッチ10分・近所を一周――体を動かすと、気持ちのスイッチが入る

在宅ワークが当たり前になってから、「朝、起きたらそのままパソコンを開く」という人がずいぶん増えました。通勤がない分、時間は浮く。
でもその分、体が「今日が始まった」と感じるタイミングを失ってしまっていることに、案外気づいていないものです。

試してみてほしいのが、朝のほんの少しの「体を動かす時間」です。
ヨガマットを広げて本格的にストレッチをしなくてもいい。
起き抜けに窓を開けて、ベランダで5回深呼吸するだけでも違います。
近所を10分ほど歩くだけでも、体の中に「外の空気」が入ってきて、気持ちのギアがひとつ上がります。

これは気分転換のためだけじゃありません。
体を動かすことは、頭の中でぐるぐるしている考えを一時的にリセットする効果があります。

前の恋愛のこと、誰かへの気持ち、うまくいかなかった記憶——それらはは、じっとしているとどんどん大きくなります。
体を動かすと、それらがいったん静かになる。
散歩から帰ってきたとき、少し頭が軽くなっていることに気づくはずです。

テレワークの日でも「ちゃんと着替えてメイクする」が、自分への敬意になる

「どうせ今日は誰にも会わないから」と、パジャマのままデスクに向かう日が続いていませんか。気持ちはよくわかります。
楽だし、時間も節約できる。
でも、外見を整えることは、他人のためだけじゃなくて、自分の気持ちを切り替えるためのスイッチでもあります。

オンライン会議に映るかどうかは関係ありません。
着替えてメイクをするのは、「今日の自分を、ちゃんと扱う」という行為です。恋愛のトラウマを抱えている人は、自分を後回しにする癖がついていることが多い。
誰かのために気を使い続けてきた分、自分自身のことは「まあいいか」になってしまいがちです。

好きなリップを塗ること。
お気に入りのシャツに袖を通すこと。
鏡の前で「今日も悪くない」と思える朝を、在宅の日にも意識してつくる——それが積み重なると、自分への扱いが少しずつ丁寧になっていきます。

他人に雑に扱われることへの耐性が下がる、というか、「私はこういう扱いでいいんだっけ」と気づきやすくなる。
それが、恋愛においても自分を守る力になっていきます。

前向きになれない日も、朝だけは「自分の側」にいてあげること


なんとなく気分が沈んでしまう日や、前向きになれない朝は誰にでもあります。
そんなときこそ無理に気持ちを上げようとするのではなく、「自分の側」にいてあげることが大切です。

朝の過ごし方をほんの少し変えることで、その一日との向き合い方も変わっていきます。

気持ちを「無理に上げない」朝の過ごし方

世の中には「ポジティブになろう」「前を向こう」という言葉が溢れていて、それが正直、しんどいと感じることはないでしょうか。
傷ついた経験が深いほど、そういう言葉が遠くに感じられます。

でも、気持ちを上げることと、気持ちを安定させることは、まったく別の作業です。

恋愛に踏み出す前に本当に必要なのは、テンションを高く保つことじゃなくて、落ちたとき自分で戻ってこられる「底」をつくること。
そしてその底をつくるのに、朝という時間はとても向いています。

気持ちが重い朝でも、淹れたコーヒーは温かい。天気が悪くても、好きな音楽は流れます。
そういう小さな確かさが、感情の波に流されすぎない自分の根っこになっていきます。
「今日はしんどい、でもこれだけはいつも通りにできた」という感覚は、意外なほど人を支えてくれます。

それは「強さ」とも少し違う、もっとやわらかい安定感です。

「ひとりでいる今日」を誰かがいた昨日より好きになる

ひとりの朝に自分を丁寧に扱う習慣がついてくると、少しずつ気づいてくることがあります。誰かの予定に合わせなくていい週末の静かさが、思っていたよりずっと心地いい。

好きな時間に好きなものを食べて、誰にも説明しなくていい夜が、じわじわと「自分の時間」として体になじんでくる。それは欠乏ではなく、充足の感覚です。

誰かと一緒にいることが「普通」で、ひとりでいることが「さびしい状態」だと、長い間思い込んでいませんでしたか。で

も実際には、ひとりでいることと、満たされていることは、まったく矛盾しません。

朝、誰にも気をつかわずにコーヒーを飲んで、好きな音楽をかけて、今日の自分の機嫌を自分でととのえる。そんな朝が「悪くない」と感じられるようになったとき、それはもう十分に豊かな暮らしです。

恋愛をしなければならない理由は、どこにもありません。
ただ、今のひとりの時間を「誰かが来るまでの待機時間」として扱うのをやめたとき、毎朝がずっと軽くなります。
今日という一日は、誰かと共有するためじゃなくて、まず自分のものです。その感覚を、朝から丁寧に積み上げていってください。

まとめ

恋愛に臆病になるのは、それだけちゃんと誰かを好きになった証拠です。
でも、傷ついた経験がそのまま「また傷つく予感」として体に残り続けると、気づかないうちに自分との関係まで硬くなっていきます。

誰にも気をつかわない朝を持つことは、自分を取り戻す最初の一歩です。
コーヒーを好きなタイミングで飲む。
好きな音楽をかける。
今日の気分を誰かに説明しなくていい朝。
そんな積み重ねが、「自分が心地いい状態」の感覚を育ててくれます。

恋愛に踏み出す勇気は、気合いでつくるものじゃありません。
毎朝少しずつ自分の側にいてあげることで、気がついたらそこにあるものだと思います。
焦らなくていい。

ただ、明日の朝だけは、誰かのことを考える前に、自分のことを少しだけ大事にしてみてください。

 

文/AKI

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