今回は、40歳の朋美さん(仮名)にお話を伺いました。30歳から10年間恋人がいなかった朋美さんが、昨年素敵な出会いを果たし、現在47歳の男性とお付き合いをされています。

今回は 、長い恋愛ブランクを経て見つけた「焦らない恋」について、率直にお話しいただきました。
恋愛ブランクが長く続いている方、周りからのプレッシャーに悩んでいる方、40代からの恋愛に不安を感じている方は、ぜひお読みください。

運命的な出会いと恋愛ブランクの日々


まずは、現在のお相手との出会いの経緯と、10年間の恋愛ブランク期間の心境について詳しく伺いました。

まずは、現在のお相手との出会いについて教えてください。

実は、あるアーティストのライブ会場で出会ったんです。
たまたま隣の席になって、お互い一人で来ていたこともあって自然と会話が始まりました。

最前列という特別な席だったので、開演前の緊張感もあって「お一人でいらしたんですね」という感じで話しかけてくださって。

そこから音楽の話、普段の趣味の話へと自然に発展していきました。
ライブ終了後も「よろしければ今度夕食でも」ということになって、そこで連絡先を交換したんです。こんな偶然の出会いがあるなんて、自分でも驚いています。

10年間恋人がいらっしゃらなかったとのことですが、その間はどのような気持ちで過ごされていましたか?

30歳から一人だったんですが、正直なところ、一人の時間をとても満喫していました。キャリアウーマンというわけでもないんですけど、自分のペースで生活できることに心地よさを感じていて。

ただ、恋愛や結婚が自然と「違う世界のもの」になっていったのも事実です。
日常生活では特に困ることもなかったので、積極的に出会いを求めることもありませんでした。

それでも寂しさを感じることはありましたか?

ありました。
特にクリスマスや年末年始、そして自分の誕生日は、やっぱり一人だということを実感してしまって。

街中がカップルで溢れる時期は、少し寂しい気持ちになることもありましたね。でも、それも年に数回のことだったので、普段はあまり気にしていませんでした。

恋愛ブランクの間、周りからのプレッシャーはありませんでしたか?

ありました、たくさん。特に30代前半の頃は「まだ結婚しないの?」「良い人いないの?」という言葉に本当に追い詰められました。
婚活アプリを入れては消し、合コンに参加してはため息をつく日々で。

でも、ある時期から「人生は他人と比較するものではない」と気づいたんです。
私には私のペースがあり、私なりの幸せの形がある。
そう思えるようになってから、心がとても軽くなりました。

一人の時間をどのように過ごされていましたか?

本当に多くのことを学べた時間でした。仕事に打ち込んだり、新しい趣味を始めたり、友人関係を深めたり、家族との時間を大切にしたり。

20代の頃は恋愛に夢中で見えなかった「自分らしさ」を、この期間にしっかりと見つめることができました。

好きなこと、嫌いなこと、大切にしたい価値観、将来への希望。これらすべてが、今の私の土台となっています。

40代だからこそ見えてきた恋愛の新しい形


続いて、10年のブランクを経て気づいた恋愛観の変化と、現在の成熟した関係性について伺いました。

長い恋愛ブランクがあったからこそ、今の恋愛で気づいたことはありますか?

自分自身をしっかりと理解できるようになったことが大きいですね。
20代の頃は「かっこいい人」「優しい人」といった表面的な条件で相手を見ていましたが、今は価値観や人生観の合う人を重視するようになりました。

一緒にいて自然体でいられるかどうかが、私にとって一番大切なポイントです。

現在のお相手との関係性について教えてください。

彼は47歳なんですが、お互いのペースを大切にした関係を築いています。結婚は今のところ考えていませんし、同棲の予定もありません。

でも、それがかえって良いのかもしれません。お互いに自分の時間を持ちながら、会える時間を大切にしています。依存し合うのではなく、支え合う関係性だと思います。

実は、以前テレビで壇蜜さんが「夫の清野とおるさんとの結婚を決めたのは、ひとりで生きる自信がついたから」とおっしゃっているのを見て、とても共感したんです。

私の場合は結婚ではなくお付き合いですが、まさに同じような気持ちなんです。

一人でも十分に幸せに生きていける自信があるからこそ、彼との関係も自然体で向き合えているのかもしれません。
「この人がいないと生きていけない」ではなく、「この人と一緒にいるとより幸せ」という感覚でしょうか。

20代の恋愛と比べて、どのような違いを感じますか?

20代の頃は「毎日連絡を取り合いたい」「常に一緒にいたい」という気持ちが強かったんですが、今は全く違います。

お互いに仕事があり、友人があり、それぞれの時間を尊重し合えています。週末に会えれば嬉しいし、平日は各自の時間を充実させる。そんな大人の距離感がとても心地よいです。

「結婚ありき」ではない幸せな恋愛関係


最後に、将来への考え方と、同じような状況にいる方へのメッセージについて伺いました。

「結婚ありき」ではない関係について、どう思われますか?

「この人と結婚したい」ではなく、「この人と一緒にいると幸せ」という気持ちから始まった関係です。結婚という目標に向かって急ぐのではなく、今この瞬間の幸せを大切にしています。

もちろん将来について話し合うこともありますが、それは自然な流れであって、義務感からではありません。

今の恋愛で感じる幸せについて教えてください。

一人の時間も恋人との時間も、どちらも大切にできることでしょうか。
恋愛していても、読書をしたり、友人と会ったり、家族と過ごしたりする時間を持てています。
一人ひとりが充実した時間を過ごすことで、二人で過ごす時間がより特別なものになるんです。

「恋人がいないと不幸」ではなく、「恋人がいてもいなくても、自分なりの幸せを見つけられる」
そんな風に考えられるようになったことが、私にとって最大の成長だったかもしれません。

今後のお二人の関係について、どのように考えていらっしゃいますか?

穏やかに、お互いのペースで付き合っていきたいと思っています。40代の恋愛には、20代にはない深みと安定感があります。
お互いを尊重し、支え合い、それでいて自立した関係。

そんな大人の恋愛を大切にしていきたいです。人生はまだまだこれから。40歳は新しいスタートラインだと思っています。

同じような状況にいる方へのメッセージをお願いします。

焦る必要は全くないということをお伝えしたいです。恋愛ブランクがあることを恥ずかしがる必要もありません。
その期間は、自分自身と向き合う貴重な時間になります。
大切なのは、今のあなた自身を大切にすることです。

仕事でも趣味でも友人関係でも、今できることに全力で取り組む。自分らしく生きる。
そうしていると、素敵な出会いは自然とやってくると思います。
そして、その出会いは焦って探していた時とは全く違う、本当に心から大切にしたいと思える関係になるはずです。

おわりに


朋美さんのお話を伺って、現代における恋愛や結婚に対する価値観の多様性を改めて感じました。
特に印象的だったのは、「恋愛ブランクの10年間は無駄ではなかった」という朋美さんの言葉です。

この期間に培った自己理解の深さと、現在の成熟した恋愛観との関連性は、同じような状況にいる多くの方にとって希望となるでしょう。
40代からの恋愛には、確かに20代とは違う美しさがあります。

お互いを尊重し合える成熟した関係性、そして何より「焦らない」ことの心地よさ。
朋美さんのような「焦らない恋」が、これからも多くの人にとって新しい幸せの形となることを願っています。

 

文/AKI