婚活に疲れる人が多くいるようです。自分がやりたくて始めたはずなのに、なぜなのでしょう。そこには理想と現実のはざまでもがく人たちの姿があります。
最近の婚活事情ってどんなもの?
生涯未婚率が増加し、婚活ビジネスのニーズが増えている
「生涯未婚率」という言葉が広まっています。これは「50歳までに一度も結婚したことがない男女」と定義されており、最新2015年のデータでは男性で23.4%、女性で14.1%と過去最高を記録しています。結婚しない人生も選択肢として定着しつつある昨今ですが、やはり多くの人は結婚したい気持ちを持ちつつも様々な理由によりできないというのが実状のようです。
現実は厳しく、年齢を重ねると出会いの場は減る一方。そこでニーズが高まっているのが、婚活ビジネスです。リアルの生活では得られない出会いを提供できるという点で、利用者が増えてきています。
婚活のスタイルも多様化
少し前までは「婚活」という言葉すらなく知りあいを紹介してもらったり、職場や学校で出会ったり、結婚することが世の大半と考えられていましたよね。いつかは運命の人と出会うはず、と油断していたらあっという間に年齢を重ねていたというのはよくある話。最近はメディアでも晩婚化、少子化が取り上げられているからか、男女ともに結婚への意識は高い傾向です。そして婚活のスタイルも紹介などのリアルな出会いの他に、インターネットを介した婚活サイトや、街や自治体をあげての婚活パーティーや街コンのように多様化しています。パートナーを見つけたいという気持ちさえあれば、出会いの場はたくさん用意されているのです。
もうやめたい…。婚活疲れのホンネ
楽しいのは最初だけ!?相手が見つからない現実
実際にインターネットを使って婚活をした筆者の体験をお話します。SNS経由である婚活(恋活)サイトに登録してみました。半信半疑でしたが、掲載された男性会員の写真を見るとさわやかなイケメンだったり、穏やかそうな好青年だったり。この中に未来のパートナーがいるかと思うとワクワクしました。しかし筆者は登録時すでに35歳オーバーでしたので、申し込んでくれる男性が40代後半~50代ということもざらでした。このときはじめて、女性の年齢神話を実感したのです。それはきっと婚活パーティーなどの出会い方にも共通すると思いますが、男女ともに譲れない条件が恋愛感情(相手が好きだという気持ち)に先行してしまうことに原因があるのではないでしょうか。リアルな出会いならもともとある人間関係から好意を抱く段階に移行するわけですが、婚活ではそういった人間関係が0からのスタートです。
相手に断られる屈辱とゴールが見えない辛さ
うまく関係をスタートさせて進展させていけばいいのですが、恋愛は相手ありきの問題ですから、当然断られることも多くあります。これも普段の接点が0の婚活ビジネスならではだと思うのですが、二人の関係に少しでも違和感があればすぐフェードアウトされたりします。普段の接点がない分、出会いも別れもビジネスライクな部分があると感じます。相手に情が生まれた段階で断られてしまうと、やはりダメージは大きいもの。
筆者もそんな刹那的な出会いと別れを繰り返していました。ネットを通してメールをやり取りするだけならまだしも、仲良くなって食事に行ったりした人も数人いましたが、断られた時はやはりしばらくショックでした。このままいつまでこんな生活を続ければいいか、見えないゴールを考えて愕然としたこともあります。
そのくらい婚活は多くの人が長い時間をかけて、いろいろな経験をしているのです。
婚活に疲れたら
婚活をやめ、なぜ疲れたのかを分析してみる
そうこうしていると精神的にダメージが蓄積されていきます。いわゆる「婚活疲れ」です。婚活することに疲れてしまった、というのはよく聞く話で、それは先に言ったように婚活生活が長丁場になることが多いからです。自分が疲れてきたなと感じたら、すぱっと休んでみることをオススメします。疲れた(=ネガティブな)状態で婚活をしても、素敵な異性に出会えるはずありませんし、もし出会ったとしてもきっとうまくいきません。焦る気持ちはよく理解できますが少し休んで、気持ちを切り替える期間をとりましょう。仕事や趣味、自分磨きなど婚活のことは脇において楽しめることを優先してくださいね。
そして今後の婚活に生かすために、なぜ疲れてしまったのか見直してみてください。それは相手との不毛なやり取りかもしれませんし、気乗りしないデートだったかもしれません。ある程度原因がわかると、次からは回避することもできますよね。
婚活で異性に高い理想や要求をしていないか見直そう
婚活疲れの一つの原因に、「理想の相手と出会えない」というのがあります。あなたの理想をひとつずつ数えていくと、いくつくらいになりますか?多ければ多いほど、理想の相手は少なくなるということになりますね。女性の中で「相手の年収は○○万円以上」と公言する人もいますが、年収300万円ともいわれるこの時代で高収入を得ている人の割合の少なさは、ちょっと考えればわかるはず。男性だって「女性は家庭的であれ」という古くからの固定観念は根強く、社会で活躍している女性からしてみれば二の足を踏んでしまう気持ちもわかります。
自分にとっては当たり前の価値観でも、世間で一般的かというと疑問が残りますよね。だからといって理想を低く妥協するべきではないのですが、譲れるポイントと譲れないポイントをしっかり吟味しておくことが大切かと思います。
婚活が疲れなくなるポイント5つ
①気負わない
筆者の友人は地方自治体主催の婚活パーティーを通じて結婚しました。今では全国各地でそういったパーティーが催されており、彼女は婚活というよりも旅行のような感覚で参加していました。この結婚にたどり着くまで数年かかっていると思いますが、旅行好きの彼女にとっては格安で宿泊もでき、とても魅力的だったのでしょう。
なんとしてもここで相手を見つける!といった頑張りかたをしていると、もし見つからなかった場合のがっかりがとても大きいので、期限を決めるにしても適度に幅を持たせるといいでしょう。また結婚が念頭にあると、ぼろが出ないようにと気を張って接することも多いのではないでしょうか。むしろ気負わずに、ありのままの姿で向き合った方が婚活に疲れませんし、フィーリングが合わなかったとしても納得がいくと思いますよ。
②長い目で見る
婚活すればすぐに結婚できるというのも間違いです。運命の相手と出会うまで、出会いから交際まで、交際から結婚に至るまでにはそれぞれの段階と、必要な期間があるでしょう。もちろん交際0日で結婚に至ったカップルも世の中にはいますが、交際期間が短いと離婚率が高いという調査もありますので、ある程度は相手の人となりをチェックする期間をとっておくのがいいかと思います。
また、二人の関係性を築いていくのに時間が必要な場合だってありますよね。恋愛に臆病になっていたり、人見知り気味だったらなおさら。自分の都合でどんどん物事を進めようとせず、相手との関係性を徐々に作っていくというのも遠いようで実はいちばん近いのかもしれません。
③執着しない
メールなど具体的なやり取りがある段階で急に断られたりすると、こちらは好意を持っている分気持ちの切り替えに時間がかかる場合があります。それ自体はとても自然なことで、時間が解決してくれるのを待つしかないのですが、中には執着しすぎて次に進めない人がいるようです。婚活はよくも悪くもドライな関係から始まりますので、情がわきやすい人にはあまり向いていないのかもしれません。
特にネットやパーティーなど軽めの婚活では、正式にお付き合いするまで複数人とやり取りすることがほとんど。それがお互い暗黙のルールとしてある状態です。一対一でしかやり取りしないというポリシーで活動している人もいますが、本当に相手が一対一にしてくれているかまではわからないのです。②とは反する部分がありますが、違和感を感じる人にダラダラと時間を割くのは、大切な自分の時間を無駄にしているのと同じことだと考えましょう。
④リハビリだと考える
婚活サービスを利用する人は、恋愛から長く遠ざかっている人も多いと思います。いざ感じのいい人に出会っても、どのように距離をつめればいいのかわからなくなっていることもあるでしょう。恋愛の仕方を忘れてしまっているのです。筆者もはじめはそうでした。メールのやりとり、実際に会ったときの振る舞い、その後いい雰囲気になったときの対処法などなど…久しぶりなことではじめは執着していましたし、戸惑うことばかりで情けなく感じることもありました。でもすべて後に理想の異性に出会うまでのリハビリだと考えるようにしてから気持ちが軽くなり、タイミングを合わせたように現在の彼に出会うことができました。
恋愛の仕方を思い出す、練習するというとなんとなくイメージが悪いかもしれませんが、そのくらいの軽さで取り組むと気持ちは楽になると思います。
⑤自分らしさをたもつ
何度も断られたり、相手から思わぬ言葉で傷ついたり。婚活にはそんなリスクがつきものです。婚活以外でのつながりがないので、普段なら言わないようなことでも言葉にしてしまうことがあります。それはきっとお互いさまなのだと思います。そのまま婚活を続けていても心は疲弊するばかりで、ひどいときにはうつ状態におちいることも。婚活がうまくいかないと自己肯定感が薄れ、自己評価が極端に低くなってしまう人もいるようです。そうならないためにも、自分らしく過ごせる時間は必ずとるようにしましょう。焦る気持ちは理解できますが、結婚という人生の一大事において冷静な判断を下すことができなければいけません。仕事だけでなく趣味の時間とも両立して取り組むのが理想的だと思います。
婚活は頑張りすぎないことが大事
疲れたと感じたら婚活から離れ、通常通りの生活に戻すこと
まじめに婚活に取り組む人ほど疲れてしまいがちです。結婚相手を見つけるのだから真剣になって当然なのですが、必ずしも相手が同じ熱量で接してくれるとは限りません。その温度差に心が疲れてしまうのではないでしょうか。疲れた、もう嫌だと感じたら、焦る気持ちは封印して一度婚活から離れましょう。仕事や趣味など自分のリズムを取り戻し、自信を取り戻すことに専念してください。ネガティブな状態で婚活を続けても、決していいことはありません。冷静さを失い、ダメ人間にひっかかってしまうかもしれません。
そしてリフレッシュしたら新たな気持ちで婚活と向き合うのです。いい恋愛をするためには、メリハリをつけて活動することが大切だと肝に銘じましょう。
婚活は相手を見るだけでなく、自分を見つめ直す時間でもある
婚活を通じてたくさんの異性と出会っては別れ、相手のいい部分と悪い部分の両方を見ることができます。相手のことばかり見ているように感じるかもしれませんが、実は相手を通して自分を見つめなおしていることにもなります。自分が望む結婚とは?それを叶えるために必要な要素とは?今まで漠然としか考えていなかったこともクリアにしていかなければ、相手を選ぶことができません。その作業をせずにだらだらと婚活してしまうと、望む結婚が遠ざかってしまいます。しっかり自分を見つめなおしてくださいね。
「婚活に疲れた」というのは決して悪いことではなく、自分が真剣に取り組んだ証拠。そんな自分をまずは褒めてあげましょう。しかし疲れたままでは、何事もうまくいかなくなってしまいますよね。婚活に疲れてしまったときは思い切って距離をおいて、普段の生活を充実させましょう。遠回りのように見えるかもしれませんが、そうしてリラックスしたときにふと出会った人が運命の相手だったというのはよくある話。疲れる前にしっかり休んで、素敵な相手をゲットしてくださいね!