モラハラという言葉を聞くと、なんだか他人事のように感じるかもしれませんが、モラハラの傾向がある男性は世の中に思った以上に多く存在します。
初めは「ちょっと俺様気質なのかも」という程度でも、エスカレートしていくと「逆らったら何をされるか分からない」と恐れを感じるほどになるケースも少なくありません。
今回は、モラハラを見極める方法、そしてモラハラ男と別れる際の注意点について解説していきます。
そもそもモラハラって何?
モラハラは「モラル・ハラスメント」の略です。モラハラという言葉の意味としては、「身体的暴力で身体を傷つけるのではなく、言葉や態度で人の精神を傷つける行為」となります。
つまり、言葉の暴力というと分かりやすいかもしれませんね。
恋人や夫婦関係におけるモラハラに悩む人はたくさんいます。
実際に暴力をふるわれて体を傷つけられてはいなくても、心がボロボロに傷ついてしまい、その後長期間にわたりトラウマに悩まされる人も少なくないのです。
これってモラハラなのでは?と疑うべき事例
モラハラの被害に遭うのは女性だけではありません。ですが、一般的にカップルにおけるモラハラ事例の被害者はほとんどの場合が女性です。
特に、30代を超える女性の多くは「女よりも男が偉い」という昔ながらの固定観念を少なからずもっているもの。
その固定観念があるために、恋人や旦那が少々「偉そう」にしたところで、ぐっと堪えて我慢する傾向があり、モラハラに気付きにくいのが特徴です。
ここでは、具体的なモラハラの事例をいくつか紹介していきます。
あなたのパートナーが、ここで挙げたような行動をとったことがあるとしたら、モラハラを疑った方が良いでしょう。
事例①「馬鹿なんじゃないの?」などの人格否定
「お前って本当に馬鹿だよね」
「よくそんなんで仕事できてるよね」
「俺がいないと生活できないくせに」
など、あなたの人格自体を否定するような暴言は立派なモラハラです。
特によく耳にするモラハラ事例が、結婚している場合に夫が嫁に対して「誰が生活費を稼いでると思ってるんだ」など、恩着せがましい暴言を吐くケース。
女性が専業主婦である場合に、モラハラ夫がこのように「自分が養ってやっている」という上から目線で妻を罵るモラハラ行為はモラハラの典型とも言える事例です。
「馬鹿」「お前は何もできない」などの言葉は、あなた自身の人格を全否定し、生きる価値のない人間のように思わせてしまうことがあります。まさに言葉の暴力ですね…。
事例②あからさまに無視をし続けるなどの嫌がらせ
機嫌が悪いときには、一緒にいてもあからさまに無視をしたり、あなたが話しかけても「聞こえないフリ」をして完全にスルーしたりする幼稚な嫌がらせをするモラハラ男もいます。
一見、「そんな子供みたいな嫌がらせなんて無意味だわ」と思うかもしれませんが、された方はとても傷つきます。
一緒にいるのに見えないフリ、存在自体を否定されたような気持ちになってしまうものです。
虫の居所が悪いというだけの理由で、恋人や妻に対して「完全無視」をするのも立派なモラハラに該当します。
事例③大きな音を立てるなどして脅す
何かに腹が立ったとき、あなたにわざと聞こえるように物を乱暴に扱ったり、扉を雑に閉めたりする行為は、一緒にいる人を不快にさせるものです。
あなたに直接文句を言わないにせよ、明らかにあなたに向けて間接的に嫌がらせをしているわけですから、気分は悪いですよね。
中には、「チッ」としたうちをしたり、「あー、クソっ」などと声に出したり、独り言だとしても決して聞き流すことができないような不快な態度をとるモラハラ男もいます。
一緒に住んでいれば、これほど息の詰まることはありません。
何よりも、そのうち暴力をふるわれるのではないかと不安になってしまいます。
「彼はモラハラなんてしないよ」と決めつける前に見直すべき3つのこと
あなたが彼のことを恋人として、旦那として本当に好きであれば、モラハラの被害に遭っていても気付かないケースはとても多いです。
なぜなら、あなたは彼を愛しているあまりに、彼の味方になろうとしてしまうからです。
本当はモラハラの被害を受けていても、「モラハラなんかじゃない、彼はちょっと難しい人なだけよ」と我慢し続けてしまう女性が世の中には本当に多くいるのです。
ここでは、あなたの彼がモラハラ男ではないと決めつける前に、確認しておいて欲しい3つのことについてお話しします。
ポイント①悪くないのに謝ることがないか
モラハラ男と付き合っていると、こちらが悪くないのに「とりあえず謝っておかなければ」と思って反射的に謝ることが多くなるものです。
例えば、一緒にランチに出かけたお店が混んでいて、彼が待たなければならないことに苛立ったときに、
「ごめん、私が事前に確認しておくべきだったね」
などと謝るのもなぜだかよくわかりませんよね。
このようなケースでは、悪いのはあなたでもなく彼でもなくタイミング。確かに前もって混み具合を電話で問い合わせていれば防げたことかもしれませんが、その責任はあなたがとるべきことでもありません。
このように、「彼が怒っているからとりあえず謝ろう」とする癖がついているようなら、あなたはすでにモラハラの被害者になっている可能性が高いです。
ポイント②彼の機嫌を取ろうと常に顔色を伺っていないか
モラハラ男は基本的に怒りっぽく、気分屋であるのが特徴です。
そしてその機嫌の良し悪しはあなたが常に気にしておくべきことでもないのですが、モラハラ男と一緒にいる女性の多くは「機嫌取り」に余念がありません。
例えば、朝起きた瞬間から彼の機嫌が悪そうだったとします。このときに、あなたが気を遣って
「おはよう、今日はあなたの好きなものでも食べに行こうか?それか私が作ったほうが良ければそれでもいいし!」
と必死に彼の機嫌が良くなる方法を探そうとするのもおかしな話です。
そもそも機嫌が悪いのは彼の問題であって、損ねてしまった機嫌を取り戻すのはあなたの義務でもないわけです。
しかし、そんなモラハラ男にどうにかして「機嫌良く穏やかにいてもらいたい」という切実な思いから、常に顔色を伺ってしまう癖がついている女性は多いです。
ポイント③彼の望む通りのあなたでいようとしていないか
友人にこんな話を聞いたことがあります。
「彼が私にはあまり目立って欲しくないって言うからさ、仕事のやり方を変えるか、あまり人と会う機会のないような仕事に変えようかと思ってるんだよね」
彼女の仕事はダンサーで、その仕事を彼女は生きがいのように続けていました。
もう10年以上も続けたダンスの仕事を辞めたいとも思っていないのに辞めざるを得ないというのはやはり納得がいきませんよね。
それでも彼女は「彼に文句言われることの方がストレス」だからと言って、仕事を辞めてしまったのです。結局その後も彼のモラハラ度は上がる一方。
結局は彼女の方が精神的に耐えられなくなって二人は別れてしまいました。
自分のやりたいことや自分らしくいることに対して否定され、その邪魔をされるのは立派なモラハラ被害です。
「お前はそんなことをしてもろくなことにならない」「お前にはこうあってほしい」など自分のわがままを押し付けて、あなたの人格さえ変えようとする男性と一緒にいてもいいことはありません。この先が思いやられますよ。
モラハラ男と上手に別れる方法とは
あなたがもしも彼のモラハラに限界を感じて、「もう別れるしかない」と思ったら早めに決行しましょう。
なぜなら、モラハラ男は長く付き合えば付き合うほどにエスカレートする傾向があり、放っておくと悪化する可能性が高いからです。
しかし、モラハラ男は逆上しやすいため、別れる際にはいくつか注意すべきことがあります。
最後に、モラハラ男と別れる際に気をつけるべき3つのことについてお伝えしておきますね。
注意①泣かれても情に流されないこと
モラハラ男は精神的にとても未熟で弱いところがあります。
そのため、一緒にいるときには相当な暴言を吐いてきた彼でもあなたが別れを切り出したら人が変わったように謝ってきたり、泣きついてきたりするのです。
しかし、ここで強い意思を貫くことはとても大切。
なぜなら、この一瞬の流れであなたが彼を許しもとさやに戻ってしまったら、結局またそのうちモラハラに悩まされる日々に逆戻りしてしまう可能性がものすごく高いからです。
実際に筆者の周りにも、何度もモラハラを許し、一時的に改善されたものの結局は元のモラハラ地獄に逆戻り、という負のループを無限に繰り返している人がいます。
別れるときには何があっても別れる覚悟を持ちましょう。これまでにされたこと、言われたことを胸にしっかりと刻み、その意思を貫いてくださいね。
注意②別れた後に友達に戻ろうとしないこと
大好きだった彼との別れは、たとえモラハラが原因でも辛いもの。
このまま何もなくなってしまうのが寂しいあまりに、別れても彼と友達関係を築いていこうと考える人もいるかもしれません。
しかし、モラハラ男とこの先友達に戻って良好な関係を築くなんてことはほぼ期待できません。
あなたの恋人でいられなくなった恨みから、あなたに仕返しを考える可能性もゼロではないわけです。危険を回避するためにも、彼との関係はゼロにしてしまいましょう。
注意③連絡先やSNSなど全ての繋がりを断ち切ること
ストーカーになりやすいのもモラハラ男の特徴です。
別れてしまった後に異常なほどの頻度で連絡をよこしてきたり、SNS上であなたの動きを監視したりするモラハラ男は少なくありません。
別れるときには彼との繋がりを全て断ち切ることが大切です。
初めはあなた自身も辛いかもしれませんが、中途半端に連絡手段を残すことで、あなたにとって良くない結果を招く恐れがあるため徹底してくださいね。
まとめ
人を傷つける方法は暴力だけではありません。身体的なダメージを受けなくても、言葉の暴力や態度の暴力は人を深く傷つける力のあるものです。
恋愛におけるモラハラは愛情が絡むことで、モラハラであること自体に気がつきにくくなってしまいがちです。
しかし、モラハラに耐えることを続けることで、あなた自身が精神的に多大なストレスを抱えてしまうのです。
モラハラの傾向が強い男性と長く付き合っていても、正直良い結果は生みません。改善される兆しがなければ、思い切って早めに別れる選択肢も視野に入れた方が良いでしょう。
あなたがあなたらしく輝きつづけるために、あなたを肯定し尊重してくれる素敵なパートナーに側にいてもらいたいものですね。
文/mayu @webwritermayu