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籍を入れたい私と、入れたくない彼。事実婚に揺れた40代の選択

地元のケーキ屋さんで長年アルバイトをしている40代のM子さんは、数年前から工場勤務の歳下の彼と同棲生活を送っています。

互いに支え合い、穏やかな日々を過ごしてきた二人。しかし、結婚の話題になると空気は一変。

M子さんは入籍を望む一方、彼は事実婚のままでいいと言います。

価値観の違いに揺れ動いたM子さんが、最終的に選んだ答えとは?

M子さんの実際の体験談と、二人が最終的にどのような決断を下したのかをみていきましょう。

運命の出会い、そして同棲へ

まずは、二人が出会い、どのように同棲へと至ったのかを伺いました。

40代の出会い

M子さんが彼と出会ったのは、もう恋愛はいいかなとあきらめかけていた40代のことでした。

二人の出会いの場は、行きつけの居酒屋。ケーキ屋でアルバイトをするM子さんと、寡黙な工場勤務の彼。

口数は多くないものの、彼の不器用な優しさや真面目な人柄に惹かれ、M子さんは久々に心ときめく感情を抱いたそうです。

「まさかこの年齢で、こんなにも心惹かれる相手に出会えるとは。」そんな驚きと喜びを、M子さんは出会った当時のことを話しながら懐かしそうに語ってくれました。

同棲のスタート

交際が始まってからは、お互いの家を行き来する日々が続いたと言います。

そしてある日、彼から「一緒に住んだ方が、家賃がもったいなくないかな」と、同棲を提案されたそうです。

40代での同棲に少し気恥ずかしさを感じたM子さんでしたが、それ以上に、毎日彼と一緒にいられることへの期待が勝りました。

それぞれのライフスタイルを尊重し、穏やかに時間を共有する生活。この時、二人の間にあったのは「未来への希望」だけでした。

平穏な日々

同棲生活は、言葉通り穏やかで満たされた日々でした。シフト制で働くM子さんと、工場勤務で日勤の彼。

生活リズムが完璧に合うわけではありませんでしたが、「仕事で疲れて帰ると彼がいる。」そんな何気ない日常の瞬間が、何よりの幸せだったとM子さんは言います。

二人で並んでテレビを見たり、M子さんが持ち帰ったケーキを彼が美味しそうに食べたり。

M子さんはこの幸せが永遠に続くものだと信じていました。

結婚への意識のずれ

仲良く同棲を楽しんでいた二人でしたが、少しずつ結婚への意識のずれが出てきたようです。

M子さんの結婚願望

「長く一緒に暮らしてきた歳下の彼と、そろそろ籍を入れたい。」40代に差し掛かったM子さんは、将来の安心感や社会的な肩書きの明確さを望むようになっていました。

親や友人にも「結婚は?」と聞かれるたび、答えに詰まる自分がもどかしい。

彼との関係に不満はないものの、入籍することで「本当の家族になれる」という確信を持ちたかったといいます。

彼の事実婚志向

一方、彼は結婚という形にこだわりがなく、事実婚のままで十分と考えていました。

「紙一枚のことより、一緒にいる気持ちが大事」と話す彼に、M子さんは理解を示しつつも納得しきれませんでした。

経済的な責任や将来の備えを考えると、どうしても入籍が必要だと思ってしまうこの価値観の違いが、二人の間に小さな溝を生んでいきます。

初めての衝突

ある日、友人の結婚式帰りに「私たちはいつ結婚するの?」と切り出したM子さん。

しかし、彼から返ってきたのは「今のままでいいじゃん」という言葉でした。

その瞬間、胸の奥に不安と寂しさが広がります。感情が高ぶり、初めて二人は本格的に言い合いに。

価値観の違いが、日常の穏やかさを揺るがす出来事となったのです。

事実婚という選択肢

何度も話し合いを重ねた結果、二人の間に「事実婚」という選択肢が浮上しました。

ここでは、その選択肢が出てきた当時のM子さんの心境や思いをお伝えします。

葛藤と模索

入籍か事実婚か、二人の価値観の違いに悩んだM子さん。

何度も話し合いを重ねる中で、将来のことを真剣に考える自分の気持ちと、自由な関係を望む彼の思いの間で葛藤しました。

最終的に、どちらの希望も尊重できる形を模索することに。

迷いや不安を抱えつつも、二人で納得できる答えを見つけたいという気持ちが強くあったようです。

事実婚のメリットとデメリット

事実婚を選ぶことで、二人の関係は自由度が高く、生活スタイルや金銭面の取り決めも柔軟に決められます。

しかし、法的な保護が限定的で、相続や税制面での不安も残ったようです。

M子さんは安心と自由のバランスを考え、デメリットをカバーするために生活設計や契約書の作成など、具体的な対策を検討したと話していました。

友人や家族の反応

M子さんが事実婚を選択肢に入れた経緯を周囲に話すと、家族や友人からは驚きや戸惑いの声が上がりました。

「なんで結婚しないの?」と質問されるたび、心の中で複雑な気持ちが芽生えます。

しかし、徐々に理解を示す人も増え、M子さん自身も自分たちの選択を前向きに捉えられるようになったそうです。

二人が下した決断

それでは、二人が最終的にどのような決断を下し、現在どのように過ごしているのかをみていきましょう。

最終的な選択

何度も話し合いを重ねた結果、M子さんと彼が下したのは「事実婚」という選択でした。

入籍はしないものの、互いを人生のパートナーとして認め合い、同じ屋根の下でこれまでと変わらず生活を続けることにしました。

法的な婚姻関係ではないものの、精神的なつながりや日常の信頼関係を重視した二人にとっては納得のいく形。

形式にとらわれず、互いの価値観やライフスタイルを尊重した現実的かつ前向きな決断でした。

決断の理由

M子さんは、自由度の高い事実婚の利点と、自身の将来への安心を両立できる点に魅力を感じました。

入籍による法的な安心感は得られないものの、生活設計や財産管理を工夫することで不安を軽減できると考えたのです。

一方、彼も結婚という形式に縛られず、自分らしい関係を維持できることに納得しました。

肩書きや書類上の関係ではなく、日々の生活や信頼でつながることを大切にしたいという思いがあったからです。

互いの価値観の違いを尊重しつつ、将来の課題にも向き合いながら、最も自然で負担の少ない形を選んだことで、二人の関係はより安定し、以前よりも絆が深まったといいます。

新たなスタート

事実婚を選んだ二人は、それぞれのペースで生活を楽しみながら、将来に向けた話し合いも欠かさず続けています。

形式にとらわれず、互いの気持ちや生活スタイルを尊重することで、以前よりも穏やかで充実した日々を送っているといいます。

最近は二人でペットも迎え入れ、休日には一緒に散歩や旅行を楽しむことも増えました。

小さな日常の積み重ねが、絆を一層深めているのです。

新たな形のパートナーシップは、二人にとって安心と幸福をもたらし、未来への不安を和らげる大きな支えとなっています。

まとめ

今回は、入籍にこだわっていたM子さんと、そうではなかった彼の実際の体験談をご紹介しました。

二人は何度も話し合いを重ね、自分たちにとって最も自然で負担の少ない「事実婚」という形を選びました。

値観の違いに直面しながらも互いを尊重し、自由度と安心感のバランスを大切にした二人の決断は、形にこだわらないパートナーシップのあり方を示しています。

今回の体験談からは、年齢や環境に関わらず、自分たちに合った関係を見つけることの大切さを感じられるでしょう。

 

文/Nana @nana__writer

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