40代サラリーマン2000人にアンケートを行ったところ、退職者の6割は収入が減っていたが、8割は「幸福度が上がった」と回答していたという報告があります。今の会社に不満がある限り、辞めたいと思っている限り、多少年収は減ったとしても、転職する方が幸せになれるのは当然ですよね。自分が幸せになれれば、家族も幸せにすることが出来ます。
もし、転職したいという思いが強くあるのであれば、諦めずトライしてみることをお勧めします。転職活動のはじめの一歩は、現職に就きながらでも出来ますよ。

仕事で悩む40代の最新事情

40代になると仕事で一線から退かされる?


いわゆる「40歳クライシス」です。特にわかりやすい例で言うと、金融機関や外資系企業など。40歳頃から子会社や支社への片道切符を突き付けられる人が多々いる業界です。
もちろん、一般的な会社でも同じこと。課長までは上がることが出来ても、部長クラスに昇格出来るのはほんの一握りの社員です。万年平社員に耐えられず、さらなる高みを目指して進む人は、どんどん途中脱落していくものです。
引用:東洋経済オンライン

肩書きだけの管理職?


親世代では、たとえ成果が出なかったとしても、歳を重ねれば昇進出来る時代でした。そう、いわゆる年功序列の「肩書管理職」。給料もどんどん上がっていく一方でしたし、幸せな時代でしたね。しかし、今は経済が不安定ですし、、グローバル化、競争激化、人事評価制度の確立などの変革の波にのまれ、これまでの企業にありがちだった「部付部長」や「担当部長」など「部下ナシ管理職」「肩書管理職」は、続々と引っぺがされています。貴重なイスは奪い合う時代の到来です。

仕事を辞めたい40代と現実

仕事を辞めたいけど辞められない40代の背景


40歳になると、今の自分の立ち位置を守ろうと保守的になる人が多いです。そう、理由は簡単。日本においては40代以降の転職は難しいと言われていること、家族を養っていかなければならないこと、老後の生活を守るためにある程度の貯金と退職金を手にしないといけないこと、です。前例踏襲の事なかれ主義の日本においては、それが当然。たとえどんなに現状がつらかったとしても。

40代が仕事を辞めたいと思ったら考えるべきこと


40代になると、求人のストライクゾーンが絞られてきます。たとえ会社側から多くの求人があったとしても、会社側の求める40代求職案件は「同業の経理職でマネジメント経験有」というように範囲が狭く、また、多くの40代求職者も、自分の専門分野が特化されています。
針の穴にありを通すようなものですね。35歳転職限界説なるものの正体は実はこれなのではないでしょうか。それでも、転職できるという事実と根拠と自信があれば、転職するべきだと思います。自分のキャリアと会社の意図をきちんと分析し、今後の見通しさえ立てられれば、転職は出来るのですから。

40代の女性に待ち受ける仕事探しの困難

40代女性のキャリアアップと転職のハードル


今度は女性に特化して見てみます。40代からの転職、特に女性の転職は、世間一般では非常に厳しいとされています。40代かつ管理職としての転職となれば、相応の能力やスキル、経験が求められることはもちろん、家庭や育児との両立体制がしっかり確立されていることが必須要件となるからです。
それに加えて本人の意識が整っていることを強くアピールしないとなかなか採用となりません。企業としては、本当に使える人材なのか、体力は大丈夫だろうか、すぐ辞めないだろうか、家庭は大丈夫だろうか、と不安でいっぱいなのです。
もちろん、たとえ独身であったとしても、自身のキャリアと私生活の将来ビジョンが固まっていて、その通りに実行する意思がないとほぼ転職は不可能と言えます。40代の女性が出産や育児を経て社会復帰するのは難しい?まして、出産や育児のために一度退職し、しばらく仕事から遠ざかっていた場合は、さらに社会復帰は難しくなります。
若い頃はバリバリ出来た職員だったかもしれませんが、直近は家事育児しかしていないので、キャリアも何もないためです。企業は、客観的に使える人材かどうかを見極めていくため、経験値が20代・30代で止まっていると、明らかに不利になってしまいます。
ただし、相当の資格や技術があれば、道は広がると思いますので、社会復帰を考える場合は、潜伏期間中に勉強しておくことをお勧めします。

40代でも取得して仕事に役立つ資格5選

資格1「医療事務」


医療事務は、景気に左右されずに一定数の求人がありますし、残業もそれほどない職種なので女性にはお勧めです。「医療事務」といっても1つの資格ではなく、医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)、医療事務管理士技能認定試験、診療報酬請求事務能力認定試験など、いくつかの資格試験の総称ですから要注意。
資格を取得することで、病院での患者応対や診療報酬請求業務、医師の事務補助などの専門的な業務に精通しているという評価を受けることができます。
こちらの資格は、6ヶ月程度の通信教育、あるいは、3ヶ月程度の通学で取得可能で、合格率は6割程度となっています。病院なら家の近くにいくらでもありますから、家庭との両立も出来そうですね。

資格2「宅地建物取引士」


不動産業で重宝されるのがこちらの資格。こちらも、必ず一定数の求人があります。宅地建物取引業法に基づく国家資格なので、不動産業界においては必要不可欠な人材であるため、かなり強みとなる資格と言えます。宅地・建物といった不動産の売買等の取引をおこなうスペシャリストです。
宅建士の試験は毎年1回で、合格率は16%程度と少し低め。通信教育や通学講座も利用し、徹底的な学習が必要でしょう。

資格3「調剤事務管理士」


調剤事務管理士は、薬局での処方箋の受付や保険請求のレセプト作成など、薬剤師の全般的なサポートをする際に必要な資格です。民間資格で、女性に大人気の資格の1つです。調剤薬局は安定した需要があり、比較的安定して多くの求人がありますし、取得もそれほど難しいものではないので、トライしてみる価値はあると思います。

資格4「保育士」


待機児童問題が深刻な現在、保育士の数は不足の一途をたどっています。そのため、政府は保育士の就労環境・条件を整えている真っ只中。体力的に負担はありますが、転職はしやすい業界です。
また、保育園以外にも児童館、乳児院、児童家庭支援センター、民間企業(社内の託児所など)活躍場所が多岐にわたるのも良いところですね。子ども好き、子育て経験を活かしたいという女性にピッタリの資格ですが、各施設によって待遇は様々なので、求人情報や内部事情は予めチェックしておくことをお勧めします。

資格5「日商簿記検定」


経理職の募集に当たって、ほとんどといっていいほど要求される資格です。企業の収入からかかった経費などを整理して会計報告をするのは、全ての業界共通。そのため、経理職の求人もたくさん存在します。合格率も高く、2級であれば独学で資格を取得される人もたくさんいます。また、1級を取得すれば税理士資格の受験も可能になりますので、スキルアップを図るという意味では重要な資格とも言えます。

40代で仕事に悩んだら

まずは情報収集することを心がけよう


40代の転職においては、次の会社で定年まで勤め、華々しい最後を迎えたいところですよね。そのため、まずは情報収集することが成功へのキーポイントとなります。企業のホームページなどで、財務情報や会社の沿革、経営理念などを確認出来ます。でも、それはあくまで表面上の情報。面接を突破するための一知識にほかなりません。
長期的な目線での情報収集をしてください。有価証券報告書などのIR情報、社員や退職者などの口コミ、政府サイト等で確認出来る退職者や女性活躍推進状況などの「内部事情」に関する情報を参考にすると良いでしょう。また、経済紙、業界の専門誌などで、業界全体の状況や会社の動向なども知っておいても良いかもしれません。

40代で転職や再就職をする時は今後のことも視野に入れた決断を


まだまだ可能性がある30代、定年まであと一歩の50代と違い、40代はある意味、選択を迫られる年齢です。住宅ローンを組んで家を買うか、車を買い替えるか、老後の生活をどうしていくか、第2子・第3子をもうけるか・・・。そのため、リスクのある転職や転居を伴う転職は避けておきたいところですよね。
収集した情報と併せて、現在の資産・負債状況、転職に失敗した場合の生活、家族の意見等を具体的にかつ総合的に把握・分析していくことが大切になってきます。

転職活動は早くても2~3ヶ月、長期間になると半年以上かかるケースも多々あります。そのため、転職活動を始める前には、ある程度の貯金をしておくことをお勧めします。
転職は、活動中の生活費だけでなく、様々な費用が発生します。面接へ行く際の交通費、履歴書などの雑費、勉強代・・・。それに、良い会社がなくて、思っていた以上に長期化してしまうことも考えられます。
金銭面を気にして余裕をなくし、焦って面接に失敗、判断を誤って微妙な会社に転職・・・といった「失敗」につながってしまいます。また、金銭的に余裕がなくなると、精神面でも余裕がなくなり、家族にもしわ寄せがいってしまいますよね。大切な家族を守るための転職が仇となってはいけません。
そのため、転職活動そのものに関する見通しだけでなく、金銭面などのプライベートな領域においても、予めの準備とスケジュール管理が大切と言えるでしょう。
大丈夫、これまでのキャリアと経験値は貴重な財産です。それを活かせる場所がきっと見つかるはずです。